結論、大企業に行った方がよい。なぜならベンチャーに行って活躍できる人は大企業に行くか、それともベンチャーに行くかで迷うことなどない。迷っているヒマがあったらさっさとベンチャーに行くという行動に移しているからだ。逆に行動に移す前にクヨクヨ考えている時点でベンチャー向きではない。よって消去法的に大企業に行った方が安全だ。
そして厳しい事を言うが、大企業かベンチャーに行くかであなたが迷っているとしたら、日系大企業に行ったとしてもそこで活躍し役員レベルになる可能性も非常に低い。なぜなら日系大企業でも当然部長室長クラス、その上に役員クラスになれば非常に優秀な人間が多数いる。そして大企業でも特に日系企業だと外からの転職者が上位ポジションに就く事はレアケース。大概は新卒で入社しいろいろな部署をジョブローテーションで周り、時には複数の海外駐在も経て出世街道を登っていく。社内の人間関係が彼らのビジネスを進めていく上でキーポイントになるからだ。
そしてそのような大企業には、私も在籍していたわけだが、サクセッションプランになるものが部内にある。これは要するに部長クラスが次に誰を課長にするか?誰を係長にするか?そういうものを部単位で作成している。おそらく社長レベルで作成しているこのサクセッションプランは次に誰を役員にするか?などのリストができていることだろう。当然社内プロパーの名前がここに載ることになる。
なので日系大企業に社外から転職者として入って、出世街道に乗れるかというと相当のハンデを背負っていることになる。あなたが35歳で転職したとしたら、新卒でその会社に入った育ってきたある意味ライバルと10年以上の経験値のギャップが生じているからだ。もしあなたのキャリアのゴールが、より高いポジションへ就くことが優先順位として高ければ、この戦いは非常にディスアドバンテージを抱えることになる。それでも戦いたいのなら、私は止めないが。
逆に出世を望まず、ある程度安定した大企業で数年過ごしたいというのなら、それはそれでよいかと思う。大企業だと一般的に中小やベンチャーに比べ会社の信用度も高く、安定性もあるだろう。100%安全とか安定とか言える世の中ではないが、比較的リスクは少ないように思う。また大企業の方が福利厚生もよく、年休も多くとれ、ワークライフバランスも良い場合が多い。あなたが35歳で転職して60歳で定年するまで25年、ここをサバイブできるあなた自身の適応力と精神的タフネスがあればそれもよいかと思う。精神的タフネスとは万年課長レベルで最終的は年下上司に使われ、さらには子会社への出向やリストラに対して乗り越えられるか?という意味だ。
大企業とは言え、20年以上課長クラスの役職で過ごし続けるのは、安定といえるのか?生きているのではなく死ぬのを待っているような気もする。定年までの消化試合と言っても良いかもしれない。これはあなたの求めたキャリアでないかもしれない。
だとすれば、残るは大企業でも日系ではなく外資系。外資系は良くも悪くも人材の流動性が高い、上司が変わるなんてこともしょっちょうある。私自身も初めての転職は外資系の大企業だったが8ヶ月後には違い外資企業に転職しさらに年収をあげることができた。一年二年の短期離職は日本人的に感覚だと負けや失敗にカテゴライズされるが、外資系では実績さえ評価されれば採用してくれる。なぜなら周りの従業員もかなりの人数が一年二年で入れ替わっていくからだ。
デメリットは日本にある外資系は日本支社という位置付けなので、本社からの指示は絶対。そして裁量権も非常に少ない。私が8か月しか在籍しなかった大手外資の日本支社長は、私を中途採用したのち、その裁量権の少なさに嫌気をさし私より先に違う外資に転職してしまった。とはいえその方は10年以上その会社に在籍していたことになるので、きっと日本支社長になってもビジネスとして大きなことにチャレンジできないそのポジションに見切りをつけたのかもしれないが。
あなたが大企業に行くか、ベンチャーに行くか迷っているならベンチャーには行くべきではない。ベンチャーで活躍できる人間は走りながら考えられる人間。そして大企業も日系は避けた方が無難、日系大企業は社内プロパーが最も大切にされる企業文化を持っている。結論、外資系大企業を狙うのがベター。仮に合わなければすぐに次の企業に転職するのもそう不利にはならないし、そもそも実力があればそんなことをせずともさらにキャリアを築き上げることができるからだ。
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